登山中、どうしてもすぐに疲れてしまう・・・
解決する鍵は、意外にも「足首」にあるかもしれません。
登山というのは、疲れるものです。
まあ、ハードな運動ですので、当然ですよね。
高い山とか、傾斜が激しい山とかを登るなら、なおさらです。
登山で疲れてしまう・・「登山特有の理由」というものは、もちろん、いろいろあります。
酸素の薄さ、周囲の環境への緊張、集団行動のストレス・・・などなど。
そして、それ以外にも・・登山特有の疲れの理由として、「足首の硬さ」があります。
・・・足首?
ふとももとか、ふくらはぎとかがパンパンになる、とかならわかるけど・・・
なんで、足首??
と、もしかしたら思われるかもしれません。
なぜ、足首が重要なのかと言うと・・・
足首が硬いと、坂を登るときに姿勢が崩れるからです。
具体的には・・・重心とか、からだ全体の軸とかが後ろにかたよってしまう、
「後傾」という状態になります。
イメージとしては、こんな感じですね。
坂を、こんな感じで登ってしまうことは、あるのではないでしょうか。
「まっすぐに立つ」というと、ふつうは、下の画像のような感じだと思います。
こういうまっすぐな立ち方だと、赤い線みたいなまっすぐなラインが、「からだの軸」になると思います。
対して・・・
さきほどの、「後傾で坂を登る」状態だと、
からだの軸はだいたい、赤い線くらいの傾きになるはずです。
明らかに後ろに、傾いていますよね?
この状態は「後傾」といって、首とか腰とか、全身まんべんなく・・とか、
身体のいろいろな場所に負担をかけてしまう状態なのです。
「後傾」すると、傾いた体を支えるため、
「首の前」とか「おなか」とかが無駄に力んでしまうことが多いので、
そういうところにも集中すると、わかりやすいかもしれません。
じゃあ、どんな感じで登ればいいのか?
こんな感じです。
こんな感じで坂を登れば、からだの軸は赤い線のように、
だいたい、まっすぐになりますよね。
こういう「後傾していない」状態で、歩みをすすめることができれば、
からだに、後ろに傾くことによる負担はかかりませんので、
身体へのダメージを防げますし、疲れにくくなるはずなのです。
しかし・・・
勘のいい方はもう、お気づきだと思うのですが・・・
こんなふうに、「後傾」せずに登るためには、
とても重要な、条件があるのです。
それが・・・足首です。
「まっすぐな軸」で登っているときの、足首部分だけを拡大しますが・・・
かなりがっつりと、曲がっているのが、おわかりいただけると思います。
まっすぐな軸で急坂を登るためには、しっかりと「足首を曲げる」必要があるわけです。
解剖学的には「背屈」という動作ができる、ということですね。
たとえば、ふくらはぎの筋肉が硬かったりとか、
歩いたり走ったりが少なく、足首を日頃から使っていないとかいうときに、
足首は硬くなります。
そして、足首が硬いと、どうなるか?
足首をじゅうぶんに曲げられませんので、こんな感じになります。
並べてみると、一目瞭然ですよね。
右側の画像のほうが、土台になる「脚」が後ろに傾いてしまっている・・というのが、
おわかりいただけると思います。
そして、その結果・・・
すでにお示ししたような、こんな感じの「後傾」した登り方になってしまうわけです。
足首をやわらかく曲げる重要性は、「和式トイレを使うとき」をイメージすると、
わかりやすいかもしれません。
足首をしっかり曲げられない場合は、和式トイレにちゃんと座れず、後ろに傾いていってしまいます。
これと同じような感じで、坂でも足首がかたいと、後傾していってしまうわけです。
登山のときは、当然ではありますが、
普段の生活とくらべて圧倒的に、「坂を登る」ことが多いです。
なので、「後傾」した姿勢で気づかないうちに、何時間も、行動を続けていたとしたら・・・
からだのいろいろな場所に負担がかかって、そのうち疲労がたまってしまうのは、無理もないのです。。。
と、いうわけで・・・
足首をやわらかく使って、「後傾」を防ぎながら登山をする・・というのが、
もしかすると、疲れない登山を実現する鍵になるかもしれません。
では、足首をやわらかくするためには、どうすればいいのか?
まず第一に、ふくらはぎが硬いと足首の動きが悪くなりますので、
ふくらはぎをやわらかくするのが、第一でしょう。
例えばふくらはぎは、立つときの「重心の位置」を間違えているときに、固まりやすいので、
ふくらはぎが固まりにくい、身体の使い方・・というのを追求するのは、大事だと思います。
ふくらはぎのストレッチも、有効ですね。
それ以外に・・登山だと、トレッキングシューズが足首の動きを殺している・・という場合があります。
トレッキングシューズといえば、まあ、こういうものなわけですが・・・
トレッキングシューズは、小石が足首部分から入らないためとか、脚をケガしないため・・といった理由で、
靴が足首まであり、足首がガチガチに守られていることが多いです。
もちろん、それ自体は良いのですが・・・
足首を無理に、がっちがちに固定してしまうようなトレッキングシューズですと、
トレッキングシューズが原因で、足首が自由に動かせなくなります。
そうなると、足首自体が硬いときと同じで・・自然な重心は、保てなくなってしまうのです。。。
トレッキングシューズとこすれて、足首とか、くるぶしとかがすごく痛い!・・・という場合には、
トレッキングシューズが足首をへんに圧迫しているかもしれないですので、
たとえば、靴を変更したり、靴紐を結ぶ強さを調節したり・・といった、工夫が必要かもしれません。
坂と階段とでは、すこし事情が違うものの・・・
「後傾」は登山に限らず、日常でも起きてしまうと知らず知らずのうちに、ダメージをためてしまう状態ですので、
できるだけ気づいて、防いでいくほうがいいと思います。
登山とか、坂を登っているときにやたらと疲れてしまう・・という場合、
「足首」とか、軸の「後傾」とかいったところを試行錯誤してみると、
もしかすると、いろいろとうまくいくかもしれません。