止まらない咳の原因・・・実は、「口呼吸」かもしれません


咳をするドクター

風邪をひいてしまった後に、熱やだるさはよくなったのに、
咳だけがずっと続く・・・

毎年、決まった季節になると、咳がでてきて止まらない・・・

あるいは、咳が続くので病院に行き、レントゲンやCTなど検査をしてもらっても、
特に異常はないと言われる・・・

 

どのような形で咳が出るかは、人によって違ってくるところだとは思いますが、
実際、私が外来診療をしていても、
風邪のあとを中心とした、咳の症状で受診される方は、とても多くみられます。

 

多くの病院では、咳の症状で受診すると、
症状に対する対処として、メジコンやアスベリンなどといった、
いわゆる「咳止め」を処方されることが多いです。

また、あまりに咳が続く場合は、
たとえばマイコプラズマの感染症、肺炎、結核・・といった病気が関係している可能性が、少ないながらもありますので、
レントゲンや胸のCT、採血などを受けることがあると思います。

 

しかし、咳止めのお薬は、なかなか効果が出ないことが多く、効果の個人差も大きいです。
(もちろん、有効な場合もあります)

また、レントゲンなどの検査を受けても、じっさいに肺炎が見つかったりすることはまれであり、
原因が何なのかは、はっきりわからない・・ということも、多いと思います。

 

咳が続いてしまう原因はいろいろあり、
この記事でも、一概に言い切ってしまうことはできないのですが・・・

実は、「口呼吸」が原因になっている場合があります。

主に、口で息を吸ってしまう、ということですね。

 

え、そんなに単純なことなの?・・と、疑問に思われるかもしれません。

 

しかし、口ではなく「鼻で息を吸う」ことは、
病気を防ぐ身体づかいの基本とも言える、とても重要なことなのです。

 

鼻の防御機構 教科書より

書籍「病気がみえる Vol.4 呼吸器」より引用

 

上の画像は、外界からはいってきた細菌などの異物が、
身体でどのように取り除かれていくかを、シンプルに示したものなのですが・・

 

「鼻腔」「咽頭」「気管支」「肺胞」という、4つの場所において、
すこしずつ異物が除去され、最終的にはとても少なくなることが、
見てとれると思います。

 

ここで注目していただきたいのは、
「鼻腔内」では鼻毛などによって、異物が除去されることが示されているのに対して、
口の中・・つまり「口腔内」には、なにも示されていない、ということです。

実際、口の中には、鼻毛や線毛にあたるような、
異物を除去してくれるような部分は、特にありません。

 

そのため、鼻で息を吸えば、しっかりと異物を取り除いた空気を、
からだの奥に送ることができるのですが・・

口で息を吸えば、異物を取り除くことはできないですので、
外界からの細菌やウイルスがたっぷりと含まれた空気を、吸い込んでしまうことになるのです。

 

「咳」は、呼吸器に入ってしまった雑菌などの異物を、外に出すために出ることが多いため、
雑菌などをどんどん吸い込んでしまえば当然、咳は多くなってしまいます。

 

加えてたとえば、おおきく咳をすると、空気をたくさん吐き出しますので、
その次に大きく、息を吸い込むと思いますが・・・

そのときに口から、たくさんの雑菌やウイルスが入ったままの空気を、
奥深くまで吸い込んだとしたら・・?

咳をするたびに雑菌を吸い込み、雑菌を出すために咳がひどくなり・・・・というループになり、
どんどん、咳がひどくなってしまうのです。

 

実際、口呼吸は、咳をひどくするだけではなく、
たとえば、「咽頭炎」を引き起こしやすいことがわかっています。

口から息を吸い込むことにより、雑菌などがたっぷり含まれた空気が、
鼻腔の次の場所・・・「咽頭」に送り込まれることにより、
そこが慢性的な炎症を起こしてしまうんですね。

 

またそれ以外にも、鼻には空気を「加湿」する機能があり、
鼻から吸えば、しっかりとうるおった空気を、からだの中に届けられることがわかっています。

口の加湿機能は、鼻よりも劣ってしまうため、
口から吸えば、乾燥した空気を、のどの奥に吸い込むことになってしまいます。

そのため口呼吸は、「ドライマウス」の原因のひとつでもあり、
それら「乾燥」が原因の咳にも、影響するのです。

 

鼻から息を吸う習慣をつければそれだけで、
雑菌や異物が除去された、うるおった空気をのどに届けることができ、
長引いてしまう咳や、一部の病気をも防げる可能性があります。

そのため鼻呼吸は、ぜひ身につけるべき習慣である!・・と言えるのです。

口呼吸を鼻呼吸に変え、長引く咳とおさらばしましょう!

このように、口呼吸、特に口から息を吸ってしまう習慣を見直し、
鼻から息を吸う習慣をつけることで、
雑菌などを吸い込み続けることで長引いてしまう咳を、減らすことができる可能性があります。

 

やるべきことは、シンプルです。

 

ただ、口ではなく「鼻から息を吸う」ことを意識し、
なんども繰り返すことで、習慣づけるだけです。

 

できるだけ口から吸わないように、日頃は口をしっかり閉じると、なお良いですね。

口をポカーンと開けてしまうのは悪い習慣なので、もしあてはまると思われる場合は、気をつけてみてください。

 

加えて、鼻の表面ではなく、鼻の「奥」で息を吸うようにすると、より良いです。

鼻の表面で息を吸うと、鼻腔がひろがってしまいますので、たとえば鏡を見るとすぐわかります。

 

特に、しゃべるときに咳がやたらと出てしまう・・というときには、この「口呼吸」のコツは有効だと思います。

 

もちろん咳の原因には、口呼吸以外にも、さまざまな可能性があります。

咳があまりにもひどい場合や、発熱やだるさを長く伴うような場合には、
いちど病院に行かれることをご検討ください。


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