この仕事、自分がやるべきものじゃないけど・・
この仕事、自分の年数だと普通やらないものだけど・・
この仕事まで自分に振るのは、振りすぎだと思うけど・・
上司に、仕事をなんでもやらされる!
上司には、部下に命令する権利があります。
会社の持つ「業務命令権」あたりが、その根拠ですね。
しかし無制限に何でもやらせるのは、やりすぎです。
ですが直属の上司が、部下の自分に何でもやらせてくる!
そして立場的に、それをなかなか断ることができない・・
現実にはこういうことは、よく起きていると思います。
私自身、これまでの社会人生活で一時期、そういう状況になったことがあり・・
このまま黙っているとマズイ!と感じて、何とか試行錯誤して脱出したものです。
そしてあなたも今現在、そういった状況にあるのかもしれません。
なのでこの記事では、仕事でなんでもやらされてしまう理由は?
なんでもやらされてしまう状況から抜け出すには、どうすればいい?
ここを解説していきます。
目次
理由①:経験を積ませ、鍛えようとしている
仕事で、上司になんでもやらされるのはなぜ?
経験を積ませ、鍛えようとしている
これが、あり得るひとつめの理由です。
つまり、この部下は見込みがあるな!伸ばそう!と思って・・
しかし伸ばすためには、さまざまな経験を積ませるべきだ!と分かっていて・・
なので何でもかんでも仕事をやらせることで、それを実現しようとしている!ということです。
こういうのは特に「新入社員」に対してよく行われます。
新入社員はまだ知識がなく、立場も低く、しかしやる気はあることが多いですので・・
教育熱心な上司が「どんどん苦労しろ!それがお前のためになる!」とばかりに何でもやらせるわけですね。
経験を積ませようとしているというのは、なんでもやらせる動機としてはいちばん「マシ」かもしれません。
上司は部下のためを思い、悪意なく行動しているからです。
そしてもし「部下側」も、育つためになんでもやらせてほしい!と思っているなら、それでいいと思います。
しかし部下側が「そこまで何でもやらされたくない・・」と思っている場合は・・
一方的な押し付けとなってしまうので、それはNGとなってしまうでしょう。
理由②:「何をやらせるべきか?」を考えてない
仕事を任せるときは「何をやらせるべきか?やらせてはいけないか?」が大事です。
しかし上司がここをまったく考えず、何でもかんでも任せようとしてしまっている・・
これも仕事でなんでもやらされるときの、よくある理由のひとつです。
上司は、仕事を采配しなければいけないものです。
この部下には今後1ヶ月間これをやらせよう。こっちの部下には、終わるまではこれに専念してもらおう・・
そういうのをうまく考えていくのは「上司の仕事」のひとつですよね。
しかし上司が、この采配をちゃんとやらなかった場合・・
本来はやるべきではない仕事とか、レベル的に適切ではない仕事といったものが、ぽんぽん投げられる羽目になります。
誰彼かまわず投げまくられる仕事に、巻き込まれてしまうわけです。
そして例えば、自分のレベルよりずっと高い仕事を投げつけられると・・
スピードが遅くなってしまったり、ミスの確率が上がってしまったりします。
そしてこの場合は本人ではなく、責められるべきはダメ采配をしている上司となるでしょう。
上司がうまく采配をしない理由は・・
- 采配をちゃんとやるべき、と分かってない
- やる気が無いのでやらない
- うまく采配する能力が無い
おそらく、こんな感じになってくるでしょう。
ひと言でまとめると、まあ、無能だからということですね。
という感じで、上司が部下に何をやらせるべきか?を理解せずに行動してしまう・・
これも仕事でなんでもやらされるときの、事情のひとつになってきます。
理由③:自分がラクをしようとしている
部下に何でもかんでも、全部押し付けてしまおう!
それによって自分のタスクを減らし、ラクをしてしまおう!
というのも上司が部下に何でもやらせる、動機のひとつになってきます。
部下にあらゆる仕事を振れば、上司はラクになります。
仕事には本来上司がやるべきもの、レベル的に部下に任せてはいけないものなど、いろいろあるわけですが・・
それらすべてを任せてしまえば、もちろん上司は何もしなくてよくなります。
部下にとにかく大量の仕事を押し付けてしまおう!というのも、
上の記事で解説するように、残念ながら多いのですが・・
仕事の「種類」に関しても、制限なくなんでもやらせてしまおう!というのがあるわけですね。
そして部署における仕事の成果は、基本的には「上司の手柄」ということになります。
なので何でもかんでもやらせることで、仕事そのものはちゃんと終わらせていき・・
そして「手柄だけをかすめ取る」ような感じで動くわけです。
もちろん、そんな動機でなんでもやらされる部下側は、たまったものではないですが・・
とはいえこれも、上司がなんでもやらせてくるときの理由のひとつだったりします。
対処法①:「やりますよメッセージ」を控える
上司が、なんでもかんでもやらせてきたとしても・・
自分がやるべきとは思えないようなことまでやるのは、イヤなものです。
それどころか自分の能力を越えた仕事だったりすると、リスクさえ発生しかねません。
じゃあ、なんでもやらされる状況から抜け出すにはどうすればいい?
以下、この視点で解説していきます。
上司が仕事でなんでもやらせてくるときに、とれる対策法・・
ひとつめは「なんでもやりますよ」というメッセージを控える、ということです。
暗黙のうちにそういう態度を取ってしまわない、ということですね。
部下は、上司に良い顔をしなければならないものです。
だいぶマイルドな時代になったとはいえ、やはり会社に「上司が上、部下が下」という空気はあるもので・・
上司に仏頂面で対応するわけにもいかず、作り笑顔で接することはあると思います。
そしてそういった、良い顔をしていく中で・・
自分はもっと仕事をやりますよ!どの仕事でもやりますよ!
こういった姿勢になってしまうことも、少なくないのではと思います。
特に真面目な性格だったり、立場の低い新人だったりすると、こういう方向に行きがちです。
あっ、この雑用自分がやります!こっちの書類も自分に任せてください!
私自身、新入社員くらいの時期にはそういう動きをしていたと思います・・笑
そして部下側がそういうメッセージを出すのなら、上司もそういうふうに扱いたくなります。
こいつは何でもやりたいんだな。じゃあ、やらせてあげよう!
悪気ではなく親切心で、そう思ったとしても不思議ではありません。
しかしサラリーマンの仕事というのは、あくまで他人のビジネスですし・・
いくら頑張っても給料は基本的に変わらないので、高いリスクを取りながらでも何でもやる!
そこまで自分を犠牲にするのは正直、微妙でしょう。
このあたりの事情は、上の記事で詳しく書いているのですが・・
会社というものには「やらないもの勝ち」の面があるのが現実です。
なので無理をしてでもすべてを引き受ける!というのは、むしろ損をする選択肢だったりするのです。
もちろん修行のためなどで、本人が何でもやりたい!と思っていたり・・
出世したくて、上司の好感度を上げるためなら何でもやる!と思っているような場合は、何の問題もありません。
会社でどう振る舞うかは最終的には、個人の自由です。
しかしもし、何でもやらされるのはもううんざりだ!と思っているなら・・
「何でもやりますよメッセージ」を送っていないか?は、チェックポイントになると思います。
対処法②:「何でもやらせてはいけない」と理解させる
上司が、仕事を何でもやらせてくるときは・・
「何でもやらせてはいけない」と理解してもらう
これも有効な解決法になってきます。
上でも少し書いたように・・上司がなにも考えず、何でもかんでも押し付けることはよくあります。
この部下の経験値を考えると、この仕事はちょっとキャパオーバーしそうかな・・
そういったことを検討もせず、とりあえずこれやってね!と投げる感じですね。
そして、そういう無茶な押し付けをしていることに「気づいていない」ことも多いものです。
悪気があるわけでも、苦しめてやる!と思っているわけでもなくて・・
ただただ、そこまで頭が回っていないわけです。
正直、そこに頭が回らない時点で、上司としての能力はたかが知れてしまいますし・・
部下からの「嫌ですオーラ」に気づけないのも、鈍感と言えるでしょう。
しかしそういった上司とも、一緒に働かないといけないことがある!というのは現実です。
そしてこういった、気づいてないタイプのケースでは・・
なんでもやらせるのはダメだ!と理解させればやめるものだったりします。
べつに「何でもやらせて困らせてやろう」とか考えてない以上は、気づかせるだけで十分な薬になるわけですね。
ちなみに、部下に何でもやらせてはいけないという根拠は・・
ニ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
(イ)該当すると考えられる例
① 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずること。
② 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責すること。
③ 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること。厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」より引用
たとえば厚労省が出している指針に、こういう条文があったりします。
書いてあるような無茶なことは、やらせてはいけないと決まっていて・・
そういったものを強制すると「過大な要求型のパワハラ」となる可能性があるわけですね。
なので、そういったものを引き合いに出して・・
さすがにちょっと、この仕事を自分がやるのは適切ではないと思います!
こんな感じのことを、うまくオブラートに包みながら主張していくといいのではと思います。
もしくは、「さらに上の上司」から注意してもらうというのも選択肢ですね。
指摘は立場が上の者から、というのはこの件に限らない基本的なことですが・・
たとえば何でもやらせてくる上司の「さらに上」に、まともな判断力を持つ上司が居るなら・・
その上司に注意をお願いすれば、カドを立てずにさくっと解決できるかもしれません。
という感じで、上司がなんでもやらせてくるときは・・
なんでもやらせるのはダメなことだ!ということをまず理解してもらう!
これはリスクもそう高くなく、うまくいけばちゃんと解決できる、有効な方針になると思います。
対処法③:「やったことない仕事」を受けるときは慎重に
仕事でなんでもやらされてしまうときの、身の振り方で・・
自分を守るための、大事な注意点があったりします。
「やったことない仕事」は特に慎重に引き受ける、ということです。
仕事は、経験があるものから任せるのが基本です。
そのほうがスピードも速くなりますし、ミスの可能性も減るからですね。
そしてやったことない仕事は、方法を教えたりと配慮しながら任せるのが普通です。
しかし、なんでもやらせるタイプの上司は・・
部下にその仕事の経験があるか?を考えず、とにかくぽん!と投げつけます。
配慮どころか、そこに注目さえしないわけですね。
そして、やったことない仕事を引き受けるリスクについては、
上の記事で詳しく解説しているのですが・・
特に「失敗すると取り返しがつかない」タイプのやったことない仕事は、受けるリスクがとても高くなってしまいます。
仕事のミスの責任というのは、最終的には上司や事業者に行くものですが・・
そうであっても、ミスをした本人が責められたりすることはあり得ます。
なのでやったこともないし、失敗したらおおごとになる!という仕事を受けるのは危険なのです。
なので、なんでもやらせる上司がそういったタイプの仕事を投げてきた場合は・・
さくっと引き受けてしまうのではなく、本当に引き受けても大丈夫か?を熟考するのをおすすめします。
そして引き受けるべきではない!と判断したら、何とかして断固拒否したいところです。
今回は仕事でなんでもやらされるのは仕方ないのか?をテーマにお話ししました。