姿勢が良くなるリュックは、実は「背負い方」で実現できます


緑の中でリュック背負ってる人

「リュックサックを背負うと、姿勢が良くなる」

 

・・・という情報を見られたことはありませんか?

 

リュックサックは、肩甲骨を後ろに引っ張ってくれたり、
胸を張ってくれたりするので、
猫背を治すのに役立ってくれる・・という理由で、こう言っている情報が多いと思います。

 

そのため「姿勢が良くなるリュック」という謳い文句で、
売られているものも多いです。

 

実際、リュックサックに肩を引っ張ってもらうことで、
前に出すぎていた肩が正しい位置にセッティングされて、姿勢が良くなることも、
あるにはあるのですが・・・

 

実は、重いリュックサックを背負うと、肩が引っ張られすぎてしまい、
むしろ姿勢を崩してしまうことも、多いのです。

いわゆる、「リュックサックによる猫背」、ですね。

 

バックパック首猫背

フリー素材サイト「GAHAG」より引用

 

上の写真のような感じですね。

 

わかりやすいのは、首の部分です。
拡大してみると・・・

 

バックパック首猫背

フリー素材サイト「GAHAG」より引用

 

・・・頭が、大きく前に出てしまっているのが、
おわかりいただけますでしょうか。

いわゆる、首猫背の状態ですね。

 

これが、どういう状態なのかと言うと・・・

重いリュックサックによって、肩が後ろに引っ張られてはいます。

いるのですが・・・
引っ張られすぎているために、引っ張られた肩とバランスをとるために、
頭が前にとびだしてしまっているのです。

 

からだが前に丸まる、いわゆる「ふつうの猫背」とはちょっと違うかもしれませんが・・・
これも、立派な猫背なのです。

 

そして、首猫背は、肩こりや頭痛、イライラ感などさまざまな問題を引き起こしてしまいます。。。

 

上に挙げたのは、リュックサックによる姿勢の崩れのうち、
たったの1パターンなのですが・・・

重すぎるリュックサックによって・・・
肩甲骨が「引っ張られすぎる」ことは、むしろ姿勢の崩れを引き起こすことがあるのです。

 

実際にリュックサックを背負った状態で、鏡を見れば、
明らかな姿勢の崩れがあれば、だいたい分かると思いますので、
もし機会があれば確認してみてください。

 

つまり、実際のところ・・・

背負うだけで勝手に姿勢が良くなる!という、
本当の意味で「姿勢を良くするリュックサック」なんてものは、無いのです。

どんなリュックサックでも、「肩が引っ張られすぎる背負い方」をしていれば、姿勢は崩れますし、
そのあたりをフォローしたうまい背負い方をしていれば、
姿勢をよくできる場合もある・・ということです。

 

 

しかし・・・なぜ、肩甲骨が引っ張られすぎると、姿勢が悪くなるのでしょうか?

 

肩甲骨というのは、いろいろな方向にぐりんぐりん動く、
なかなかに可動性が高い部分なのですが・・・

この動きは大きく分けると、
下の、6つのパターンに分けられます。

 

肩甲骨の動き

書籍「身体運動の機能解剖」より引用

 

肩甲骨を、外側に開く「外転」、内側に閉じる「内転」

真上に挙げる「挙上」、真下に下げる「下制」

上に円を描くように挙げる「上方回旋」、下に円を描くように下げる「下方回旋」

 

・・・この、6パターンですね。

 

そして、これらの中で、リュックサックの影響によって起こりやすいのは、
「内転」なのです。

つまり、リュックサックによって、後ろ側・内側に肩甲骨が引き寄せられるわけですね。

そしてこの「内転」のしすぎが、姿勢を崩してしまう原因なんです。

 

リュックサックの肩ベルトを短くするほど、この「内転」は起きやすいです。

そして、内転は、ある程度ならば起きてもいいのですが、
内転しすぎると、後ろにさがりすぎた肩とバランスをとるために、
頭が前に出ていってしまうのです。

そして、頭が前に出ていってしまうと、
首根っこを中心とした、首肩に負担がかかり続け・・・
頭痛などの問題が起きてしまうのです。

 

これが、「リュックサック猫背」のメカニズムです。

 

肩が、ものすごく前に出てしまっている人・・
つまり、「外転」しすぎている人であれば、
リュックサックによる内転により、バランスがとれることがあるのですが・・・

そんなに極端に外転していない場合には、
重いリュックサックを背負うと、だいたい、内転しすぎになっていきます。

 

正しくは、リュックサックにより「下制」や「下方回旋」といった、他の動きも起きるのですが、
ふつうは、「内転」の成分がいちばん大きいです。

 

そして、姿勢をよくするためには、肩甲骨を引きなさい・・というのは、よく言われることなのですが、

姿勢をよくするために重要な肩の動きは、実は「下方回旋」なのです。

リュックサックで起きるメインは、「内転」ですので、
「下方回旋」はあまり起きてくれず、
なかなか、姿勢改善をしてくれない・・というわけです。

 

 

それでは、この「リュックサックによる猫背」を防ぐためには、
どうすればいいのでしょうか。

 

まずは、あまりに重すぎるリュックサックを、長時間背負わないことです。

重いリュックサックを背負うと、どうしても重さによる影響は出てきてしまいます。

なので、リュックサックを背負うと肩こりなどがひどくなる・・という場合は、
極力、転がせるスーツケースを使う、
場合によってはあらかじめ郵送してしまう・・などが、いいかもしれないです。

 

そして、バックパックを背負うのであれば、
肩以外のベルト・・・特に胸ベルトをちゃんと使うことです。

胸ベルトをちゃんと使えば、肩が内転しすぎるのを防ぐことができるので、
それによる、首猫背などの姿勢の崩れを防ぐことができます。

 

 

リュックサックは肩を引いて、姿勢をよくする・・と言われることがありますが、
場合によっては、「リュックサック猫背」を引き起こし、
むしろ身体にデメリットを起こしてしまうことも多いです。

もし、リュックサックを背負うとなぜか頭痛がする・・肩こりがひどくなる・・といった場合には、
「リュックサックによる猫背」を起こしている可能性があります。

なので、胸ベルトをちゃんと使って、肩が内転しすぎるのを防ぐ・・・などの対策をされてみると、
もしかすると、効果があるかもしれません。


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