タイピング腱鞘炎を防ぐには「手首ポジション」と「指ポジション」が鍵です


高速タイピング

キーボードを打つたびに痛む、腱鞘炎・・・

 

防ぎ、改善する鍵は「腱がなめらかに動く、手首や指のポジショニング」です。

 

キーボードは現代人にとって、
切り離すことができないツールです。

仕事にもよりますが・・・一日何時間もパソコンに向かって、ずっとタイピングしている方も多いでしょうし、
一日で話す文字数よりも、タイプする文字数のほうが圧倒的に多い・・ということも、ざらだと思います。

 

そして・・・タイピングによる腱鞘炎も、悩む方が多い症状です。

 

もちろん、腱鞘炎の原因というのはいろいろあり、絶対に有効な治し方・・というものはありません。

そして場合によっては、病院での検査とか、治療とかが必要になることもあるのですが・・・

もしかすると、タイピングをするときの「手首のポジション」ひとつで、
腱鞘炎はかなりのレベルで、楽になるかもしれません。

 

あなたはいつも、キーボードに向かうとき、
どんな手首の角度で、タイピングしていますか?

 

・・・もしかしたら、「手首の角度」など、
意識したことがない、と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実は、「腱鞘炎が起きやすい手首の角度」というものが、あります。

 

まず、そもそも腱鞘炎の「腱鞘」とは何か?なのですが・・・

 

まず、指を動かすための「腱」というのは、

 

指の屈筋腱

書籍「ネッター解剖学アトラス」より引用

 

こんな感じです。

 

手首から、5本の指それぞれにかけて、
白い「腱」が走っているのが見えると思います。

 

指を動かす筋肉は、基本的に、
手自体ではなく前腕にあります。

そして前腕の筋肉が動いて、この腱をコードのように引っ張ることで、
それにつられて指も動くわけです。

 

試しに、前腕を手でにぎって、指を動かしてみてください。

前腕もかならず、動くと思います。

 

 

そして本題の「腱鞘」なのですが・・・

腱鞘は、腱を包んで、
なめらかに動くよう助けるための「鞘」のような構造です。

 

指の屈筋腱鞘

【拡大】

指の屈筋腱鞘 拡大

書籍「ネッター解剖学アトラス」より引用

 

青い構造が、白い「腱」のまわりをつつんでいるのが、
おわかりいただけると思います。

この青いのが、「腱鞘」です。

これが、手首とか、指とか、
けっこう広い範囲に、見えますよね。

 

そしてこの腱鞘に、腱がこすれすぎて起きるのが「腱鞘炎」・・というわけです。

擦れすぎて、痛みが起きたり、炎症を起こしたり、腫れてしまったり・・ということが起きるわけです。

 

場合によっては、「ばね指」とか、「ドケルバン病」とか呼ばれることも、ある状態ですね。
(まったく同じではないですが・・詳しくは、ご検索ください)

 

腱鞘というのは、その名のとおり、サムライの持つ「鞘」のようなものです。

腱というカタナが、中を、すべるように通るわけですね。

鞘から抜くサムライ

私たちが、特にひっかかりなく、なめらかに指を動かせるのは、
この腱鞘が、腱をつつんでガイドしているおかげなのです。

 

しかし・・・

 

実は、この腱鞘や腱が、なめらかに動いてくれない手首や指のポジション・・というものが、あります。

 

ひとつ、試していただきたいのですが・・・

手首をおさえる

こんな感じで、ご自身で手首をちょっと強めに押さえた状態で、
タイピングをするように、指を動かしてみてください。

 

おそらく手首の部分に、なめらかな「腱の動き」を、
感じ取れると思います。

 

感じ取れたら・・・

すこしずつ、手首の角度を変えながら、
指を動かし続けてみてください。

手首を曲げたり、伸ばしたり、横に曲げたり・・
いろいろな方向に動かしながら、指を動かし続けます。

 

すると・・・腱がなめらかに動きにくい手首の角度が、ありませんでしょうか。

 

グイグイと引っ掛かりまではせず、
ちょっと、指が動きにくいな・・くらいだと思いますが、
手首を動かしていくと確かに、なめらかに動きにくくなる手首の角度が、あるはずです。

 

腱鞘というのは、どんな状態でも完璧に、腱をなめらかに動かすわけではなく、
手首の角度によってちょっと狭くなってしまったりとか、ちょっと変に曲がってしまったりとかしますので・・・

腱が動きにくくなる手首の角度というのが、でてくるわけです。

 

そしてそういう手首の角度ですと、腱が腱鞘にこすれやすくなってしまいますので、
そういう状態だと、腱鞘炎になりやすいのです。

 

それでは・・・

その逆で、腱がいちばんなめらかに動く手首の角度が、見つかりませんでしょうか。

 

この手首の角度だと、腱がこすれてしまうような感じが全然せず、
一番なめらかに指が動く・・・!

そういうポジションをもし、見つけることができましたら、
その手首ポジションが、タイピングするときにとるべきポジションです。

 

そのポジションであれば、腱の、腱鞘へのこすれを最小限にできますし、
こすれるとしても、なめらかにこすれてくれるので、ダメージが起きにくいです。

なので、そのポジションでタイピングを続けることができれば・・・
少なくともできていないときよりは、腱鞘炎を起こしにくくできる可能性があります。

 

逆に、この「良いポジション」から離れた状態で、何日も何日もタイピングを続けてしまうと、
腱鞘炎がいつまでたっても治らない・・ということに、なりやすいのです。

 

 

この、「理想的な手首の角度」というのは、人によって微妙に違ってきますので、
「この手首の形が正しい!!」「この形は間違っている!!」とかは、言えないのですが・・・

 

手首を浮かせてタイピング

acworksさんによる写真ACからの写真

 

例えばこんな感じで、手首を「浮かせる」ようにした状態・・つまり手首を背屈させた状態だと、
腱鞘炎になる可能性は、高くなりやすいと思います。
(もちろん、この手首の形が「合う」場合もあると思いますが)

 

ご自身の手に合う、手首の角度が見つかったら・・・

いろいろと試行錯誤して、その手首の角度で作業ができる作業環境・・というものを、探します。

たとえばリストレストを置いたり、高め・低めのキーボードに換えたり、キーボードの角度を変えたり・・とかですね。

 

ここも絶対的な正解は無く、自分で試行錯誤してみるしか無いところですが・・・

ぜひ、いろいろと、チャレンジしてみてください。

 

例えば私は、いろいろと試行錯誤をする過程で、
家にやたらたくさんのキーボード、リストレスト、補助机・・とかのグッズが溜まってしまいました・・笑

 

そして、理想の手首ポジションでのタイピングを実現できれば、腱鞘炎も今よりは起きにくくできるのではないかと思います。

 

 

ここまででは、手首をメインにお話をしてきましたが、
「指」についても基本的な考え方は、同じです。

指を押さえる

例えばこんな感じで、指をおさえた状態で、
指をいろいろと動かしてみて・・・

できるだけ、指をなめらかに動かせるような指のポジションを、探しましょう。

 

たとえば、手をちょっと握った状態がいいのか、
ちょっと開き気味の状態がいいのか・・といった感じですね。

 

そして、いちばんなめらかに指を動かせる状態が見つかったら、
それが、タイピングのときとるべき指のポジション・・と、いうわけです。

手首とあわせて、指も理想のポジションにできるように、
いろいろと試行錯誤して、作業環境を整えていきましょう。

 

もちろんこの話は、キーボードのタイピングだけに限った話ではありません。

たとえば最近だと、へんな手首の角度といった状態でスマホを持ち続けて、
「スマホ腱鞘炎」が起きるようなこともあるようですが・・・

腱鞘炎になりにくいスマホの持ち方・・といった方向にも、
この記事でお伝えした知識は、応用できるはずです。

 

もちろん、手指のポジションですべてが解決するわけではありませんので、
あまりにもひどい、手首や指の痛みが続く場合には、
一度、病院の整形外科などを受診したり、整体を訪ねてみたり・・ということを、
検討されることをおすすめします。

 

デスクワークだと、キーボード腱鞘炎のほかに、
マウスの使いすぎで起きる「マウス腱鞘炎」のほうも、やっかいだったりします。

マウス腱鞘炎については、「マウス感度の徹底的な調整」が有効だと思いますので、
もしキーボードだけではなくマウスでも痛みが出る・・という場合は、試していただければと思います。

 

私自身、そんなに重度というわけではないのですが、
タイピング時の、手や指の痛みが続いていた時期はあります。

しかし、こういった身体の使い方の追求の甲斐・・なのかはわかりませんが、
現在はかなり長い間タイピングしていても、そういった痛みが出ることはまったくありません。

 

タイピングによる腱鞘炎に悩んでいる方の、参考になりましたら幸いです。


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