上司が仕事で、何度もあら探しをしてくるんだけど・・
その対応が大変すぎて、能率がだだ下がりなんだけど・・!
あら探しはハラスメントじゃないの?
「あら探し」をしてくる上司というのは、本当に多いものです。
放置しても問題ないような小さなミスとかを、目ざとく発見してきて・・
重箱の隅をつつくように批判してくるとか、そういうタイプですね。
そして部下は上司に、なかなか逆らえないものです。
なので上司のあら探しに何とか対応しようとして、消耗することになり・・
「これってハラスメントじゃないの!?」と、怒りとともに思うことも多いはずです。
私自身、あら探しをしてくる上司に悩まされた経験があり・・
この上司への対応は時間の無駄だ!どうにかしてあら探しを無効化できないか?
そう考えいろいろ試行錯誤し、何とか回避していた時期があります。
なのでこの記事では、上司のあら探しはハラスメントにあたるのか?
あら探しに対処し無効化するには、どんな方法がある?
といったところを解説していきます。
目次
あら探しはハラスメント?
あら探しって、ハラスメントに当たるの?
ここを考えるなら、まず「ハラスメントって何?」が必要です。
ここを知らないと、判断のしようが無いからですね。
そしてあら探しがハラスメントに当たるときは、基本的には「パワーハラスメント」にあたります。
たとえば同僚にあら探しされても正直、無視すればいいだけで・・
「権力に勝る上司」が相手だからこそ、あら探しに対応せざるを得なくなるからです。
そしてパワーハラスメントは、
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
厚生労働省「あかるい職場応援団」の該当ページより引用、改行を追加
こんなふうに定義されています。
基本的にはこの条件にあてはまるとき、それはパワハラとなるわけですね。
で・・結局、あら探しってハラスメントに当たるの?
ここを判断するには、そのあら探しがどんなあら探しなのか?が大事なポイントになってきます。
あら探しは無条件でハラスメント!あら探しは絶対ハラスメントじゃない!のどちらでも無いわけですね。
じゃあ、どんなあら探しならハラスメントだと言えるの?
以下、解説していきます。
「過剰」なら、ハラスメント
上司に「あまりにも過剰」なあら探しをされる!
この場合は、そのあら探しはハラスメントだと言えるでしょう。
たとえば小さな仕事のひとつひとつについて、あら探しをされて・・
ここ間違ってるぞ!ここ直せ!ここも!と指摘され続け・・
そのすべてへの対応を強要される!という状況ですね。
常識的に考えても、さすがにそこまでのあら探しは過剰!やりすぎ!と言えるでしょう。
じゃあなぜ、過剰なあら探しはハラスメント言えるの?
上で述べた「ハラスメントの定義」を、もういちど持ってきますが・・
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
厚生労働省「あかるい職場応援団」の該当ページより引用、改行を追加
パワーハラスメントの定義というのは、こうでした。
そして過剰なあら探しは「②」のうち、「相当な範囲を超えた」に引っかかると言えます。
さらには上司が権力にまかせて行うので、「①」にも引っ掛かりますし・・
あら探しに対応していては働く時間も奪われますので、「③」にも引っ掛かります。
なので「過剰な」あら探しなら、公的なところで争ってもハラスメントとなる可能性が高いと言えるでしょう。
また、常識的な目線から考えてみても・・
- 仕事上まったく重要ではない、ごく小さなミス
- 別にどっちでもいいような、その上司特有のこだわり
- これから進めるので、まだ未完成なのが当然の仕事
そんなところまであら探しされていては、他の仕事をする時間もどんどん奪われてしまいます。
しかも基本的には業務命令となりますので、従わざるを得ないんですよね。。
上司も、悪気があってあら探しすることはさすがに少ないと思われ・・
なので過剰なあら探しをするときは、何とか仕事を良くしよう!と奮闘しているときだと思います。
しかし残念ながらそれは完全に逆効果の、不要な仕事ということになってしまいます。
部下側の視点からみるなら、感情的にも、ハラスメントだ!と叫びたくなりますよね。
という感じで明らかに必要以上の、過剰な「量」のあら探しをする!
この場合は、そのあら探しはハラスメントなってくるでしょう。
「的外れ」なら、ハラスメント
あら探しで指摘されることが、明らかに「的外れ!」
この場合も、そのあら探しはハラスメントとなる可能性が高くなります。
たとえば上司に、そこはAではなくBだぞ!と言われるけど・・
客観的に見て明らかにAのほうが正しいし、Aのほうが仕事がスムーズに行く・・
しかしあくまでBだと言い張られる、みたいな感じですね。
そんな感じで、間違ってもいないところを指摘されたり・・
仕事の方向性を、あきらかに効率が悪いほうに曲げられたり・・
といった的外れなあら探しをされると、無視するわけにもいかないので、多大なストレスになります。
私自身、とある上司にこれをされてさんざん悩まされたことがあります・・笑
じゃあ、的外れなあら探しはハラスメントなの?と考えると・・
これもやっぱり上で挙げた定義の「② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」に引っ掛かると言えるでしょう。
的外れな指摘って、必要ないですよね。笑
的外れなあら探しをするのはほぼすべての場合で、無能上司です。
そもそも部下にあら探しなんてしてる時点で、基本的に無能と言えますし・・
的外れなことを言うのも無能の証拠なので、ダブルで無能と言えてしまいますね。笑
しかし会社という組織ではどんなに無能であっても、上司は上司ですので・・
的外れなあら探しに毎日毎日、苦しまなければならないケースもあるはずです。
相手が上司だからこそ、そうなってしまうわけですね。
しかし書いてきた通り、的外れなあら探しはハラスメントになる可能性が高いです。
そして的外れなあら探しなんかに、消耗し続けるのもアホらしいことなので・・
ハラスメントといったところを軸にしてでも、何とか対抗していきたいところです。
「嫌がらせ」なら、ハラスメント
世の中には「嫌がらせ」で、あら探しをする人もいます。
そしてその場合はまず間違いなく、ハラスメントだと言えるでしょう。
まあ、これは常識的に考えて当然かもしれません。
あら探しをされると、部下は困ります。
あら探しに必死で対応しなければならないので、当然ですね。
そして上司の中には、あら探しのそういった効果を知っていて・・
あら探しを、部下を困らせる手段として使うタイプが居ます。
揚げ足取りのような指摘を繰り返し、部下が困るのを見て楽しむわけですね。
そんな最低上司、本当に居るの?ともしかしたら思われるかもしれませんが・・
私は前の職場で一度、そういうタイプの上司を見たことがあります。
私自身は被害にあう立場ではありませんでしたが、同僚がもろに巻き込まれていました。。
嫌がらせタイプのあら探しを、ハラスメントの定義に当てはめると・・
当然「② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」に引っ掛かると言えます。
嫌がらせでの口出しや命令なんて、必要でもなんでもないからですね。
もちろん嫌がらせをする人は、周囲から見て分からないようにやるものです。
なのでハラスメントだ!との告発は、必ず成功するとは限らないとは思います。
しかし状況を正しく明るみに出すことができれば、まず間違いなく何らかの鉄槌が下るでしょうから・・
何とかうまく立ち回り、対処していきたいところです。
「正当な指摘」なら、ハラスメントではない
という感じで、あら探しはハラスメントになることが多いわけですが・・
しかし「正当な指摘」の場合は、ハラスメントにはなりません。
つまり、上司が仕事のあらゆる部分に口を出すけど・・
それは本当に必要で、しかも的を射ている!という場合ですね。
なぜ、正当な指摘ならハラスメントとは言えないの?
ハラスメントの定義をもういちど持ってきますが、
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
厚生労働省「あかるい職場応援団」の該当ページより引用、改行を追加
正当な指摘は、この定義に当てはまらないからですね。
①の「優越的な関係」は上司と部下である以上、あると言えるかもしれません。
しかし正当な指摘は②の「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」ではないですし・・
③の「労働者の就業環境が害される」ものでもないと言えるでしょう。
正当な指摘なら、それは必要だと言えますし、就業環境が害されるとも言えないからですね。
そしてパワーハラスメントは「①から③までの3つの要素を全て満たすもの」となっていますので・・
あら探しであってもそれが「正当な指摘」を軸にしているのなら、ハラスメントにはならないと言えるでしょう。
そうは言われても、あら探しなんてされたくないんだけど・・
上司が「正当な指摘」と言えるようなあら探しをする場合、その理由は何?
- 上司が、仕事をきっちり管理したがるタイプだから
- デリケートな仕事で、徹底的なフォローが必要だから
- 部下側のミスが多いから
このあたりが考えられます。
「仕事をきっちり管理したがる上司」だと、あら探しと言えるくらいに介入するかもしれません。
しかしその緻密なフォローによって、その部署の仕事がスムーズに回る!といった状況なら・・
その介入は「正当」と言え、ハラスメントにはならないでしょう。
「デリケートな仕事」の場合も、上司はあら探しレベルで介入することが増えます。
ひとつのミスが大事故に直結するような、神経を張り巡らせなければならない仕事なら・・
上司があら探しと言われるくらい細かなフォローをするのも、仕方がない正当なことになってきます。
「部下側のミスが多い」というのも、あら探しをせざるを得ない理由になります。
ミスを厳重にフォローしなければ、「やらかして」しまうような部下の場合・・
上司としてはあら探しと思われようが、その部下を必死でフォローするしか無くなってきます。
上司による部下の指摘は、それ自体は当然の行いです。
そしてそれが「正当」と言えるような、理不尽の無いものであるなら・・
あら探しと言われてしまうくらい細かったとしても、ハラスメントは言えない!ということになってきます。
あら探しには、どう対処する?
ハラスメントと言えるような、あら探しを受けているとして・・
じゃあ、それに対してはどう「対処」すればいいの?
ここが気になったとするなら、「あら探し」と言えるような細かい指摘への対処法を、
上の記事で詳しく解説していますので、これが参考になるかもしれません。
記事のポイントを抜粋してみると、
- すべての指摘には対応しない
- あら探しが負担になっている、と気づいてもらう
- あら探しをする「動機」を考えて対処する
こんな感じになってきます。
中でも「すべての指摘には対応しない」という考え方は、有効でしょう。
たとえ上司が、対応が難しいほどのあら探しをしてきたとして・・
真面目な人であればあるほど、何とかしてすべてに対応しようとしてしまうものです。
しかしこの方向で動くと、あら探しへの対処だけに忙殺されることになり・・
他の仕事ができなくなったり、忙しさに体を壊したりしかねません。
そしてこれは「あら探しに潰される」ような、悪い道と言えてしまうでしょう。
なので上司が重箱の隅をつつくような、しょーもないあら探しをしてきた場合は・・
口では「ハイ」と言いつつも適当に受け流し、上司が指摘したことを忘れるまで待つ!
そんな感じの「ちょっと不真面目」と思われるような対応も、自分を守るため必要になることがあるでしょう。
もちろん書いてきたように、あら探しはハラスメントに当たることも多いです。
そしてハラスメントは告発することで、相手にペナルティが下ることもあるので・・
あまりにひどいならいっそ、しかるべきところに告発してしまう!というのも選択肢になります。
しかし告発というのは、基本的に「割に合わない」選択肢となります。
たとえ正当な告発であったとしても、その職場では「告発するような奴」扱いされてしまうかもしれませんし・・
告発を受けた上司から、逆恨みのような反撃を受ける可能性もあります。
なので告発してやりたい!と思うくらい、事態が深刻なのであれば・・
個人的にはさっさと転職してしまうほうが、よっぽど有意義なのではと感じます。
離れればその職場で起きているハラスメントは、根っこからバサッと解決できるからですね。
もちろん、転職先探しの手間は大きいものになりますし・・
そもそも「転職できる状況」を整えておく!というのも、日頃からの努力が必要なところになってきます。
そして状況は人それぞれなので、どうしても難しいケースもあるでしょう。
しかしそれでも、告発して上司や会社と対立!なんて方向よりはマイルドですので・・
もしあまりにもひどい状況なのであれば、転職も選択肢には入れていいのではと思います。
理不尽な状況に悩まされないための、転職先選びのコツといったところは、
上の記事で紹介しています。
今回はあら探しはハラスメントにあたるのか?をテーマにお話ししました。